村井信照

あけましておめでとうございます。

合掌 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年中は、榮立寺の活動に対しご支援を賜り、心より感謝申し上げます。本年も何とぞよろしくお願い致します。
さて、昨年は、私の念願であった龍神拝殿が完成致しました。榮立寺の守護神として境内のクスノキの森に龍神様を感得勧請して五年、毎月十一日を祭礼日として、雨の日も風の日も、暑い日も寒い日もご信徒の皆様とともにお参りを続けてきました。このたびようやく、拝殿建設のご縁が熟し、素敵なお堂が出来ました。周囲の森と調和し清々しい雰囲気を味わえるよう、強化ガラスを多用し、また、限られた面積を活かすため、お堂の前にはウッドデッキを作ってタープテントも張れるようにしました。機会がありましたら、ぜひ参拝いただければと思います。
昨年は、このほか、お寺や地域のイベントを通じ、自然と調和した人間本来の生き方を大切にする価値観を共有できる人たちとの多数の出会いがありました。今年は、これらの体験や出会いを活かして、いよいよ法華経・お題目の神髄を伝え共有できるよう、もっとも重要な年と位置づけて取り組みを展開していきたいと思っています。
いま日本の世の中は、明治時代に受け入れた近代文明が発展を続け、多くの恩恵を受ける一方で、それ以上のリスクを背負わせられました。このまま進み続けると、自然環境はますます破壊されて自然災害は過酷になり、国内外で対立分断に弾みがかかって紛争やテロリズムの恐怖は増し、人間の精神状態は異常さが深刻になります。
一方で、このような文明の未来を憂えて自然回帰の機運が生まれ、人間が本来、自然の一部として宇宙や生態系の調和を保ちながら、対話と協調の中に生きてきた生き方を取り戻したいという志向を持つ人々も増えてきました。
法華経に説かれる理想の浄土世界とは、まさにこのような自然界の調和の中に生きることであり、龍神という神も、まさにその自然界のエネルギーそのものが命の姿となって現れた存在であるといえます。
本年は私にとっても、まさに正念場と思っております。皆様にとりましても健康で有意義な日々を送っていただき、世の中の一員として少しでもお役に立てる一年になりますようお念じ申し上げます。
再拝
 平成二十八年一月一日
榮立寺住職 村 井 信 照
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